変な研究所

所長 みーちゃ

種をまくと返事が返ってくるのか

2026年6月18日

最近、この変な研究所に「種まき箱」なるものを作った。 思いついたことや感想を自由に置いていってもらうための小さな箱である。

メールでもない。 SNSでもない。 返事を期待するわけでもない。 ただ、誰かがふと思いついたことを置いていき、 また別の誰かが拾っていく。 そんな場所があっても面白いと思ったのである。

しかし考えてみれば、わしは昔から種まきばかりしてきた。

チラシを作る。
ブログを書く。
SNSに投稿する。
人と会う。
面白いと思ったことを誰かに話す。

どれも、その場ですぐに結果が出るとは限らない。 むしろ何も起こらないことの方が多い。

昔は宣伝のためにセスナ機からチラシを撒くことも珍しくなかった。 イベントや観光地だけでなく、市街地の上空から紙をばらまくことも行われていたという。

今では考えられない話だが、地上に大量の紙が降り積もるわけで、昭和39年頃にはこのような宣伝方法に中止命令が出されたらしい。

空から紙を撒いて本当に効果があるのかと思うが、それでも人は「知ってもらう」ために種をまき続けてきた。 手段は変わっても、誰かの目に止まればいいという願いは昔も今も変わらないらしい。

そういえば、子どもの頃は空から撒かれたチラシもよく拾った。 建前の餅も拾ったし、節分の豆も拾いまくった。

今思うと、貧しかったからではない。 そういう時代だったのだろう。

台風が来れば窓に板を張った。 停電に備えて懐中電灯を探し、水を溜め、家族みんなで通り過ぎるのを待った。

撒かれたものを拾い、近所の人に助けられ、誰かの知恵を借りながら暮らしていた。

大人になった今でも似たようなことをしている。 そして忘れた頃になって、昔の出会いや出来事が思わぬ形でつながることがある。

どうやら面白いことは、探すものではなく、種をまいて待つものらしい。

わしは何かを撒く側になったつもりでいたが、 考えてみれば、拾ったものの方がずっと多かった。

人間というものは、昔から誰かのまいた種を拾い、 また自分も次の誰かのために種をまいて生きてきたらしい。

今でもブログを書き、SNSに投稿し、人と出会い、AIと話をする。 そして、この変な研究所にも小さな種まき箱を置いてみた。 さて、どんな芽が出るのだろう。

なお、この研究は現在も継続中である。 芽が出たら追記する。

研究番号:003